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2022.01.26
耐震等級とは?段階別の特徴やメリット・デメリットも併せて解説
目次
本記事では、耐震等級について解説しています。
新築住宅の購入を検討されたことのある方は、一度は耳にしたことがあろう「耐震等級」なるワードですが、これらは主に3つの区分に分かれます。
それぞれの区分がどの程度の耐震性を備えているのかについて、詳しく知っておきましょう。
今回は耐震等級における段階別の特徴に加え、メリット・デメリットについてもご紹介します。
ぜひ最後までご覧ください。
耐震等級とは?
耐震等級とは、建物の地震に対する強さの指標です。
「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づいた「住宅性能表示」に沿って定められています。 冒頭で述べたように、耐震等級は主に3段階に分かれています。
- 耐震等級1
- 耐震等級2
- 耐震等級3
- 耐震等級3相当
それぞれの特徴について、以下に解説します。
耐震等級1
耐震等級1は、現在の建築基準法上の基準を満たす基準です。
新築住宅を建築するにあたって「建築確認申請」を行い、申請に基づき各自治体が確認申請を許可することにより、住宅の建築が可能になります。
つまり、この許可が下りた段階で耐震等級1の基準を満たすことになります。
数百年に一度程度の大きな地震(阪神淡路大震災クラス)でも倒壊しない耐震性と定義されています。
耐震等級2
耐震等級2は、耐震等級1の次の段階の強度を表します。
耐震等級1の1.25倍に相当する耐震性と定義されています。
なお「長期優良住宅」の認定を受けるためには、耐震等級2以上が必要となり、災害時に指定されている避難所(学校など)も耐震等級2以上が基準です。
耐震等級3
耐震等級3は、耐震等級における最大強度水準です。
耐震等級1の1.5倍の耐震性と定義されています。
耐震等級1の場合、倒壊こそしなくとも建物が大きな損傷を受ける可能性がありますが、耐震等級3であれば少ないダメージで済む場合があります。
つまり、耐震等級3は地震後も住み続けることのできる可能性が最も高い等級であるといえるでしょう。
耐震等級3相当
耐震等級3相当とは、建物の強度自体は耐震等級3と同じです。
しかし、あくまでも「相当」であることから、耐震等級3を評価する証明書がありません。
耐震等級3の証明がないことで、火災保険やフラット35などの金利優遇を受けることができない場合があるため注意が必要です。
耐震等級が高い家を建てるメリット
耐震等級が高い家を建てるメリットにはどのようなものがあるでしょうか。
- フラット35で低金利のローンが借入できる
- 地震保険料が安くなる
上記2点の代表的なメリットについて、以下に解説します。
フラット35で低金利のローンが借入できる
高い耐震等級の家は、フラット35(住宅金融支援機構)での融資金利が安くなるメリットがあります。
「フラット35s」という、一定の技術基準を満たすことで、金利の割引を受けることができる特典を指します。
いくつかある項目のうちの一つに耐震性があり、耐震等級2であれば当初5年間、耐震等級3であれば当初10年間の金利引き下げが受けられます。
地震保険料が安くなる
耐震等級に応じて地震保険料の割引を受けることができます。
一般的な割引率は以下のとおりです。
耐震等級 | 割引率 |
3 | 50% |
2 | 30% |
1 | 10% |
なお、地震保険は火災保険に付帯する保険ため、単体での加入はできません。
さらに、火災保険には耐震等級による割引がないので注意しましょう。
耐震等級が高い家を建てるデメリット
次は耐震等級が高い家を建てるデメリットをご紹介します。
- 希望の間取りが制限される
- コストが発生する
上記2点が主なデメリットとなりますので、以下で詳しく解説していきます。
希望の間取りが制限される
耐震等級の高い家を建てる際に、希望の間取りが制限される場合があります。
高い耐震等級を確保するためには、相当の壁量が必要となることから、耐震等級1なら取れる空間が、耐震等級3では確保できないことがあります。
耐震等級が高くなるほど、壁や柱の距離を考慮する必要が出てきます。
しかし、壁の厚みを増やす(二重壁)などの対策によって、高い耐震性能と希望の間取りを両立できる場合もあります。
コストが発生する
コストが発生することもデメリットの一つです。
高い耐震性を確保するための柱や壁が必要となるため、建築コストがかかります。
具体的なコストについては、間取りや建築面積によって変わるため一概にはいえません。
また、万が一地震が起こった際の建物の損傷を予想した場合に、耐震等級を上げたことに対してかかるコストが高いか安いかの判断はケースバイケースでしょう。
耐震等級を上げることで前述のようなメリットを受けられることから、相当な予算オーバーではない限り、前向きに検討することをおすすめします。
耐震等級が高い家を建てる際のポイント
次は、耐震等級が高い家を建てる際のポイントについてです。
- 耐力壁を増やす
- 建物を軽くする
- 耐震に必要な設備をバランスよく配置する
- 床の耐震性も上げる
主に上記4つのポイントに注目です。 以下で詳しく解説していきます。
耐力壁を増やす
耐力壁を増やすことで耐震性を高めることができます。
耐力壁とは、地震や強風などの、横からかかる力に対して耐えるための壁です。
当然、壁量が多いほど耐震性は高くなりますが、構造計算に基づいた計画的なレイアウトによって高い耐震性を確保することができます。
建築士とよく相談した上で、耐力壁を配置しましょう。
建物を軽くする
建物を軽くすることで耐震性を高めることができます。
昔の日本の木造建築の屋根には、重量のある瓦屋根が多く使用されていました。
阪神淡路のような大地震の際には、これらの建物は屋根の重みで上から潰れるように倒壊しました。
多くの建物がこのような被害にあったことから、現在の屋根は軽量屋根が主流となっています。
また、木造建築自体はRC造や鉄骨造に比べても重量が軽いため、地震の揺れにも強いといわれています。
耐震に必要な設備をバランスよく配置する
耐震に必要な設備をバランスよく配置することでも、耐震性を向上させることができます。
主には耐力壁が重要となりますが、前述のように多く壁を配置すればよいわけではなく、建物全体のバランスを考えて効率よく設計する必要があります。
ほかに耐震性を上げるための方法として、金物による耐震補強を行うケースがありますが、これらも同様にバランスが重要になります。
闇雲に壁や金物を多く配置して無駄にコストを増やさないよう、専門家とよく打ち合わせの上、進めるようにしましょう。
床の耐震性も上げる
床の耐震性を上げることにも意識が必要です。
縦の壁と横の床の耐震性を同時に高めることで、壁では耐えきれない強い揺れに対しても床で受け流すことができます。
壁とつながっており、密接に関係する床部分にも目を向けるようにしましょう。
耐震等級に関するよくある質問
耐震等級についてのよくある質問について以下にまとめました。
- 耐震等級は家にとって結局のところ意味がない?
- 耐震等級の調べ方は?どこに書いてある?
- 耐震等級3なら倒壊する危険性はない?
上記3つの質問について回答します。
耐震等級は家にとって結局のところ意味がない?
これまで解説してきたように、家づくりにおいて耐震等級は必要不可欠な存在です。
ポイントは、地震にギリギリ耐えることができるのか、地震を受けたあとも問題なく生活ができるのかの差です。
耐震等級が高いほど、後者のように地震のあとでも大きな補修をせずに生活を維持することができることからも、その重要性は否定できないといえるでしょう。
耐震等級の調べ方は?どこに書いてある?
耐震等級の主な調べ方は、住宅性能評価書を確認することです。
住宅性能評価書がない場合には、耐震診断を行うことで耐震等級を調べることができるしょう。
また、建築確認申請書には構造計算書が添付されており、耐震等級の明確の記載はなくとも、建築士であればどの耐震等級に相当するかを確認することもできます。
耐震等級3なら倒壊する危険性はない?
耐震等級3であれば必ず倒壊しないという保証はありません。
過去にも、想定をはるかに上回る災害に見舞われてきた日本。
そのたびに建築基準法が見直されて現在に至ります。
ただ少なくとも、耐震等級3は現在の建築技術におけるリスクヘッジとしては優れた基準であるといえるでしょう。
まとめ:耐震等級3の強度が安心
ここまで、耐震等級についてのメリットやデメリットについて解説してきました。 本記事をまとめると以下の通りです。
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桧家住宅では、地震に強い頑強構造により耐震等級3の強度を実現しています。
厳しい耐震基準を満たした壁量計算によって、安心・安全な住宅を提供しておりますので、まずはお気軽に桧家住宅のモデルハウスへお越しください。