Blog
ブログ
2021.11.17
住宅ローンを5,000万円組める年収目安は?返済シミュレーションも検証
目次
本記事では、住宅ローンを5,000万円組める年収の目安について解説しています。
住宅の購入にあたり大半の人が利用する住宅ローンですが、住宅ローン借入金額と年収は密接に関係しています。
年収から、借入れができる住宅ローン金額の目安を計算することができますが、例えば5,000万円の住宅ローンを組むためにはいくらの年収が必要でしょうか?
今回は、住宅ローンを5,000万円組むための年収目安と、返済シミュレーションについて詳しく紹介していきます。
住宅ローンの金利や仕組み
住宅ローンの返済額に直結する金利ですが、大きく分けて変動金利と固定金利の2種類があります。
これらの仕組みについて解説していきます。
・固定金利とは?
・変動金利とは?
・元利均等返済と元金均等返済など返済方法の違い
これらの3つに分けて説明します。
固定金利とは?
固定金利とはその名称のとおり、一定の金利のことです。
住宅ローンは一般的に長期にわたり取り組むことが特徴のローンですが、固定金利は指定の期間中の金利に変動がなく常に一定です。
固定金利の代表的なものとして住宅金融支援機構の「フラット35」があります。
35年間の金利が変わらないため、長期の返済計画が立てやすいことがメリットです。
民間の金融機関では超長期固定と称してフラット35と似た商品がありますが、5年固定や10年固定など、一定期間を固定金利で取り組み、その後は変動金利に切り替わる商品が一般的です。
デメリットは、変動金利に比べて高めの金利設定となっていることが挙げられます。
金利が変わらない安心がある反面、負担も変わらないのが固定金利の特徴です。
変動金利とは?
変動金利は固定金利とは逆の性質を持つ金利です。
一定期間ごとに適用される金利の見直しが行われ、変動金利はその見直しの影響を受けます。
変動金利型の金利の見直しは一般的に4月と10月の年2回行われます。
では住宅ローンを変動金利で組むと半年ごとに返済額が変わるのかというと、実際はそうではありません。
変動金利を選択した場合は「5年ルール」と「125%ルール」の2つが適用されます。
この2つのルールはほとんどの銀行が採用しています。
・5年ルール
5年ルールとは、住宅ローンの実行月から5年間は月々の返済額が一定となるルールです。
6年目時点の金利の状況を見て、返済額の見直しが行われます。
以降5年ごとに同じサイクルで月々の返済額の見直しがあり、基本的に金利が上昇していれば返済額は増え、金利が下降していれば返済額は下がることになります。
短いスパンでの金利上下に対する影響を受けにくく設計されているのが5年ルールです。
・125%ルール
125%ルールとは、5年ごとの返済額見直しの際に、それまでの毎月返済額の25%までの上昇を限度とするルールです。
つまり、金利の急上昇があった場合に返済額の急激な負担が起こらないように定められているルールです。
例えば金利の上昇によって次回の返済額が10万円から13万円に増える場合であっても、125%ルールにより、以降5年間の返済額は12.5万円に抑えられます。
長期の返済期間の中で、家計の負担が極端に増えることがないように設計された救済ルールといえます。
ただ一方で救済ルールとはいえない側面もあります。
変動金利のメリットは固定金利と比較して低金利で取り組めることが大きなメリットですが、これら2つのルールによって発生することがあるデメリットには注意が必要です。
仮に返済期間中の金利が著しく上昇していった場合、本来支払うべき返済額と、2つのルールによって返済額の上限が定められたことによる「差額」が生じることがあります。
この「差額」は返済をすることでしか埋めることはできず「未払利息」と呼ばれます。
返済期間終了までに未払利息を返済する必要があるため、金利の上昇具合によってはずっと溜まり続ける負債となる可能性があります。
変動金利を選択する場合は、上記のデメリットも考慮した上で判断をしましょう。
元利均等返済と元金均等返済など返済方法の違い
住宅ローンの返済方法には金利タイプのほかに、元利均等返済と元金均等返済の2つの方式があります。
どちらも金利の支払い方法を指しますが、その特徴は大きく異なります。
・元利均等返済
毎月の返済額を一定に調整する返済方法です。
つまり年2回の金利の見直しの際に、毎月の返済額は一定で元金と金利の内訳が変わります。
例えば、毎月の支払いが10万円で半年後金利が上昇した場合でも、10万円の支払いは変わりません。
その代わりに10万円の返済額の内訳が、元金7万円金利3万円から元金6万円金利4万円などになるという仕組みです。
返済額が一定のため返済の計画が立てやすいことがメリットです。
デメリットは元金均等方式に比べると総返済額が多くなり、上記の性質上借入額の残高の減りは遅くなります。
なお、金融機関の多くはこの元利均等方式を基準に住宅ローンを取り扱っています。
住宅ローンといえば元利均等返済といえるほどに一般的な方式です。
・元金均等返済
毎月返済額の元金部分が一定となる返済方式です。
元利均等方式とは逆に元金が常に一定のため、毎月の返済額は一定とはなりません。
住宅ローンは元金に対して金利分の返済額を割り出しているため、初回の返済額が最も高くなります。
例えば同じ借入額で元利均等方式での毎月の返済額が10万円とすると、元金均等方式を選択すると15万円など、初回の返済額に大きな差が出ます。
以降、元金が減っていくとともに金利分の返済が減るため、すべり台のようにわかりやすく返済額が下がっていきます。
メリットは元利均等方式に比べて元金の減りが早いため、総返済額が少なくなります。
デメリットは返済当初に支払いが高額となるため、返済の負担が大きく、審査に必要な年収などの要件が高くなります。
元利均等方式と比較してメリットとデメリットが逆転していることがわかります。
なお、この元金均等方式は取り扱いをしていない金融機関もあります。
メリットはありますが、返済額や審査への影響もあり一般的ではないのが元金均等返済です。
住宅ローンを5,000万円組むのに必要な収入
ここでは本題の、住宅ローンを5,000万円組むために必要な年収についてご紹介します。
・年収倍率的には最低でも850万円以上
・返済負担率から見るとさらに収入が必要
これら「年収倍率」と「返済負担率」の2つの観点から以下に詳しく解説していきます。
年収倍率的には最低でも850万円以上
年収倍率という観点から見ると、最低でも年収は850万円以上あることが望ましいです。
年収倍率とは住宅を購入する価格が年収の何倍に値するかを比率で示したものです。
金融機関による住宅ローンの審査にあたり、融資可能額の判断目安として用いる基準です。
例えば年収850万円で算出される年収倍率は約5.9倍です。
ただし金融機関やエリアによってこの倍率は変動します。
あくまでも一つの指標であり、審査には様々な要件が絡むため目安の一つとして考える必要があります。
ですが住宅ローンを5,000万円組むための年収は、年収倍率という観点からは850万円以上あれば金融機関の審査のテーブルには乗ると考えて良いでしょう。
返済負担率から見るとさらに収入が必要
返済負担率という観点から考えますと、さらに収入が必要です。
返済負担率とは、年収の中で住宅ローンの支払いを占める割合のことを指し「返済比率」とも呼ばれます。
金融機関の多くは返済負担率を年収の35%前後に定めています。
例えば年収が850万円で返済負担率が35%の場合、住宅ローンの支払いに占める金額は年間約300万円です。
とはいえ、35%に収まっていれば審査が確実に通るというものではありません。
余裕を見て最低でも30%以内に収まっていることが望ましいです。
また住宅ローンの審査で計算する金利と、実際に支払っていく金利は大きく違います。
例えば実際に支払っていく適用金利が1%だとしても、審査に適用する金利は、金融機関によってさまざまですが4%前後で計算します。
つまり金融機関は長期の貸付けを行うにあたり、仮に金利が上昇して返済額負担が増えたとしても対応できる年収として審査を行います。
したがって、返済負担率は30%で審査金利は4%という想定のもと必要年収を割り出せば、多くの金融機関での審査の基本的要件を満たしているといえます。
年収850万円で考えた場合の借入可能額は約4,800万円となり、5,000万円の借入れ希望には届かないという結果となり、850万円以上の年収が必要となります。
上記の審査条件で逆算しますと、5,000万円の借入れ希望に必要な年収は約890万円です。
5,000万円住宅ローンを組んだ時の返済シミュレーション
5,000万円の住宅ローンを組んだ場合の返済額はいくらになるでしょうか。
以下に返済シミュレーションとしてまとめました。
・返済期間は35年 ・元利均等返済 ・ボーナス時返済なし |
以上の条件を設定し、返済のシミュレーションを表で解説します。
適用金利 |
毎月の返済額 |
0.5% |
12万9,793円 |
1% |
14万1,143円 |
1.5% |
15万3,093円 |
このように、金利が0.5%変わるごとに毎月の返済額が1万円以上変わることがわかります。
金利の重要性を改めて認識しましょう。
5,000万円の住宅ローンを組むのに頭金はいくら必要?
5,000万円の住宅ローンを組むために必要な頭金に基準はありませんが、住宅購入価格の10%~20%が一般的です。
ただし、上記は住宅ローンの審査をより有利にすすめるための目安であり、現在では頭金を用意せずに住宅ローンを組める金融機関も多く存在します。
また、頭金と諸費用を混同しないように注意が必要です。
例えば、5,000万円の住宅には別途諸費用が必要です。ここでは仮に300万円とした場合、住宅の購入総額は5,300万円です。
頭金を住宅価格の10%にあたる1,000万円用意した場合には、諸費用を含めた総額から1,000万円を差し引き、住宅ローンの借入れは4,300万円となります。
したがって、実質の頭金は700万円という考え方です。
当たり前のように思いますが、意外に諸費用を含めた頭金を計算に入れずに資金計画を練ってしまうケースがあるため念のため確認するようにしましょう。
なお、別途諸費用ローンを組む選択肢もあります。
諸費用のことも意識しつつ、5,000万円の住宅ローンを組む場合の頭金は10%~20%を目安に考えましょう。
年収的に5,000万円の住宅ローンを組めない時の対処法
年収が審査の要件を満たさず、5,000万円の住宅ローンを組めない場合はどうすれば良いでしょうか?
・頭金を貯めて借入額を減らす
・希望条件を見直し予算を検討し直す
以下に解説します。
頭金を貯めて借入額を減らす
頭金を貯めて借入額を減らすことが最も有効な方法でしょう。
借入額が減ることで毎月の返済額も減るため、メリットも大きいです。
例えば前述のように850万円の年収に対して4,800万円の借入れしかできない場合には、差額の200万円を頭金として用意することで問題は解決します。
自身での用意が難しい場合でも、親族に頭金を援助してもらうことも選択肢の一つです。
頭金を貯めて借入額を減らすことは非常にメリットが大きいため、積極的に考えましょう。
希望条件を見直し予算を検討し直す
希望条件を見直し、予算自体を減らすことも方法の一つです。
予定の頭金が思うように貯まらずに用意ができないこともあるでしょう。
その場合には今一度予算を見直すことも必要です。
審査の要件に満たない無理な借入れをすることで、将来の大きな負担になる可能性もあります。
例えば建物の大きさを譲れない場合はエリアの再検討を行い、子供の学校などの関係でエリアを移れない場合には土地面積や建物面積の大きさで調整する必要があるでしょう。
無理のない資金計画を行うためにも、頭金の用意が難しい場合には希望条件の見直しを行うことで解決につなげましょう。
5,000万円の住宅ローンをペアローンで組む際の注意点
主に夫婦間で利用することが多いペアローンですが、組む際の注意点についても把握しておきましょう。
ペアローンとは連帯債務や連帯保証とは違い、それぞれが別々のローンを組みます。
借入可能額が多くなったり、住宅ローン控除をそれぞれ別々で受けられたりなどのメリットがある一方でデメリットもあります。
- 複数のローン契約を行うため、単身ローンより余分に諸経費がかかる
- 離婚した際には売却がスムーズに行かない場合がある
- 団体信用生命保険はそれぞれ別々に適用されるため、どちらかが死亡した場合でもその持ち分に対してのみ保険が適用されるため、一方のローンは残る
なお、一部金融機関では団体信用生命保険を相互に保証できるペアローンもあります。一方に不幸があった場合には、両方の債務を保険で弁済できます。
ペアローンには上記のような問題が発生することがあるため、ペアローンを組む際にはよく話し合ったうえで判断しましょう。
まとめ
ここまで、住宅ローンの金利および仕組みや、住宅ローンを5,000万円組むために必要な年収などについて紹介しました。
本記事をまとめると、以下の通りです。
・住宅ローンの金利には固定金利と変動金利があり、それぞれが逆の性質を持つ ・変動金利には5年ルールと125%があり、そのメリットがデメリットとなる場合がある ・返済方式には元利均等と元金均等があるが、元利均等が一般的な方式 ・5,000万円の住宅ローンには年収倍率的には最低850万円以上の年収が必要 ・ペアローンを組む際には注意点が多いため、事前に確認が必要 |
桧家住宅は長期優良住宅適合の高性能住宅を提供しており、同時に住宅ローン相談会も実施しております。
よりよい条件での資金計画を、お客様に寄り添いながらご提案いたします。まずはお気軽に桧家住宅へご相談ください。